ご門徒の参考になれば幸いです。
それでは、お盆のお荘厳(ショウゴン)は、しなくても良いのでしょうか。
盆棚をしつらえはしませんが、お仏壇は、いつもより厳かにお飾りします。
打ち敷を掛け、供笥(クゲ)を用いてお供えをし、更に供物台を設けて季節の果物や野菜などをお供えします。欲を言えば、その周囲には、生花などを配し、切子灯籠を下げれば、より一層厳かなお荘厳に成ります。
ご家族がお揃いに成れば、先立たれた方々を偲んで、一緒にお勤めをし、お焼香などしてお念仏を称えます。
仏さまからお供えを下げたら、皆さんで頂戴し、夕涼みなどしてお盆をお楽しみ下さい。
お盆のお荘厳は、家族そろって仏様に手を合わせ、共にお念仏を称えさせて頂いて、そのお心を聴聞すること。それが一番の基本です。
御本山では、江戸時代より毎年「安居(アンゴ)」と呼ばれる勉強会が開催されています。現在では、7月半ば頃から2週間程ですが、当初は90日にも亘って研鑚なさったそうです。これは、お釈迦様以来の伝統です。
また、今では行われなく成りましたが、「花会(はなえ)」と云って、七夕の頃から、縁側に多くの立花(たてはな)が並べられておりました。お盆には、「灯籠会」と云って、天井に切子灯籠が沢山吊るされ、都の人々からは「本願寺の万灯会」とも呼ばれ、親しまれていたそうです。
この切子灯籠は、今でも夏になると、お堂の中に一対吊るされます。本願寺独特の豪華な意匠ですので、お出かけに成ってみて下さい。
この灯籠は、招霊の為でも送り火でもありません。
お盆と言ってまずイメージするのは、「招霊」と「送り火」でしょう。祖先の霊を招き、祀って、送る、あの一連の「しきたり」です。
しかし、浄土真宗の教えの中から、このしきたりに意味合いを見つけることは出来ません。
先立たれた方が仏様と成って、いつも寄り添い見守っていて下さるとすれば、なにも迎えることもなく、益して送り返す理由も無いからです。
又、例え恐ろしい境涯にいらっしゃったとしても、私共の力ではどうして差し上げることも出来ませんから、やはり阿弥陀様にお任せする外ありません。
招霊しないからといっても、世間の多くが仏縁に合われる時期ですので、私共も普段以上に仏法聴聞に勤めたいものです。
7月2日から、8月15日までお盆参りをしています。
尚、お盆参りのお申し込みは、お電話でお願いします。
8月1日 13:00~15:00
お寺のお盆の法座には、みんなで出かけ、いつもは中々お参りできないご家族にも、ご法縁を結んで差し上げましょう。
ご先祖から続く命の意味を、共に聞かせて頂き、次の世代へと受け継いで参ります。昔から盆と正月は、何を置いても家族揃って、お互いの命のつながりを確かめ合って来たはずです。
築地本願寺 from Flickr