今日は、仏事相談でご縁を頂いた方の、お葬式です。
世間には、お坊さんはお葬式ばかりしていると思っていらっしゃる方も有る様で、時折そんな事を聞くことがありますが、そんなことはありません。
式場に入り、湿度計を見て、本当に驚きました。
ゴビ砂漠を旅された三蔵法師様も、驚かれるのではないでしょうか。
草木も生えない湿度0%です。
さすがに、これは目を疑いました。
しかし、これは現実の事の様です・・・
思いっきり息を吸い込んで声を出そうとすれば、きっと咳き込んでしまうでしょう。
呼吸もしないで読経というわけにも参りません。
そこで、たいした効果は期待できませんが、少しは違うのかとも思い、
ゆっくり息を吸い込んで、静かに声を出すことにしました。
前からお線香の煙、後ろからお焼香の煙、逃げ場はありません。
換気扇とエアコンのモーターの音に負けないように、声を振り絞ります。
なんまんだぶ なんまんだぶ
気のせいでしょうか、お経の文字が次第に霞んで、よく見えなく成ってきます。
この大切な仏縁に、何をつまらないことを考えているのでしょう・・・
煩悩だらけの自分が見えてきました。
思えば、
ひと時たりとも、煩悩から離れることの出来ない、そんな私がここにいるから、
阿弥陀様は寄り添い立ち上がって下さったのでした。
「 我にまかせよ 必ず救う 」
阿弥陀様の声が聞こえてきます。なんまんだぶ なんまんだぶ
お葬式にお参りして、ご参詣の方々は、心に何を思っていらっしゃるのでしょうか。