渓谷別庭 蛍なんてどこにでもいたよね

蛍がいるよ

 

ほのかに青い光がひとつ。他にそれらしい者はなかった。

確かに一匹、蛍がいる。

「蛍がいるよ」と、西光寺さんが声をかける。


都市開教にご苦労なさって30年、いつ会っても念仏を語り、話の尽きることは無い。開教の為、知らぬ土地を切り拓いてきた力強さを感じる。

 

「蛍なんて、昔はどこにでもいたよね。」

 

念佛をよろこぶ人は、どこにでもいたのに、「念佛をよろこぶ」 そんな言葉すら通じない土地であった。

 

暗闇に目が慣れてくると、満天の星空

くっきりと天の川が浮かび上がる。

 

あの星空のように、お念仏をよろこぶ人達と共に生きたい。

時間を忘れ、共々にそんな思いを語り合った。

 

はぐれ蛍は、天の川に溶け込むように見えなくなってしまった。


(三寺宿泊研修会でのワンショットです。雨蛙の前に、点のように写っているのが蛍です。スマホで天の川は写せないらしい。

他の写真はすべて真っ黒でした。残念)